症例
子宮腺筋症から発生したと考えられた子宮体部類内膜腺癌の2例
福永 健
1
,
藤井 進也
,
井上 千恵
,
椋田 奈保子
,
柿手 卓
,
大内 泰文
,
田邉 芳雄
,
小川 敏英
1鳥取大学 医学部病態解析医学講座画像診断治療学分野
キーワード:
壊死
,
MRI
,
子宮出血
,
子宮摘出術
,
致死的転帰
,
類内膜癌
,
子宮腺筋症
Keyword:
Hysterectomy
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Necrosis
,
Uterine Hemorrhage
,
Carcinoma, Endometrioid
,
Fatal Outcome
,
Adenomyosis
pp.367-372
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016187237
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子宮腺筋症から発生したと考えられた子宮体部類内膜腺癌の2例を経験した。症例1は50歳代女性で、1年前から子宮腫瘤を指摘され、最近増大傾向を認めた。子宮後壁筋層内に限局する境界明瞭な腫瘤を認めた。腫瘤内部はT1強調像では低信号、T2強調像で不均一な低信号~高信号を示した。腫瘤の一部は出血性変化が疑われた。平滑筋肉腫を第一に疑い、単純子宮全摘術、両側付属器切除術を施行した。子宮筋腫症から発生した低分化類内膜腺癌と診断した。追加治療を行わず、術後7ヵ月の現在、明らかな再発を認めていない。症例2は70歳代女性で、半年前に不正性器出血があり、子宮筋腫を指摘された。内膜細胞診で類内膜腺癌と診断された。画像所見では、筋層内腫瘤の性状が子宮内膜類内膜癌の典型像を示していたことから、腺筋症由来の子宮体癌及び筋層内転移を疑った。単純子宮全摘術、両側付属器切除術を施行した。子宮腺筋症由来の硬分化類内膜腺癌と内膜播種、筋層内転移と診断した。術後14ヵ月に骨転移と肺転移が出現し、初診より3年後に死亡した。
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