症例
大腿骨頸部の偽性病的骨折
安田 圭太
1
,
中山 学
,
田島 育郎
,
佐藤 孝
,
江原 茂
1岩手医科大学 医学部
キーワード:
X線診断
,
交通事故
,
骨壊死
,
骨折-自然
,
MRI
,
鑑別診断
,
大腿骨頸部骨折
,
X線CT
,
転倒・転落
,
股関節置換術
Keyword:
Accidental Falls
,
Accidents, Traffic
,
Diagnosis, Differential
,
Fractures, Spontaneous
,
Femoral Neck Fractures
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Osteonecrosis
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.363-366
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016187236
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症例は50歳代女性で、自転車乗車時にバランスを崩し、左方向に転倒し、その後に歩行障害、左股関節痛が出現した。単純X線写真で左大腿骨頸部骨折と診断した。Garden IV型骨折を認めたが、大腿骨頭骨外側に透亮像が見られたため、病的骨折を疑った。MRIでは大腿骨頭骨外側にT1及びT2強調で低信号を呈する病変を疑った。しかし、病的骨折の診断が得られず、通常の大腿骨頭置換術を行った。術中所見でも異常は認めず、切除骨頭の病理検査でも骨折に続発する骨壊死のみで腫瘍組織は認めなかった。転位を伴う大腿骨頸部骨折における骨頭外側の骨吸収は、臼蓋と大腿骨遠位部との間で、大腿骨頭部外側が上下から挟み込まれたことによる圧潰によると考えられた。リハビリテーションの後退院し、1年半の時点では人工骨頭に問題なく経過している。
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