症例
広範な皮膚潰瘍を形成した特発性好酸球増多症候群と考えられた1例
澤村 創一郎
1
,
藤澤 明彦
,
吉野 雄一郎
,
小泉 さやか
,
加島 雅之
,
長峯 理子
1熊本赤十字病院 皮膚科
キーワード:
Prednisolone
,
Warfarin
,
血小板減少症
,
骨髄検査
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
皮膚潰瘍
,
好酸球増加症候群
,
静脈血栓症
,
静脈内注入
Keyword:
Bone Marrow Examination
,
Debridement
,
Infusions, Intravenous
,
Prednisolone
,
Skin Ulcer
,
Thrombocytopenia
,
Warfarin
,
Skin Transplantation
,
Hypereosinophilic Syndrome
,
Venous Thrombosis
pp.508-512
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017233482
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41歳男性。左大腿部の腫脹、そう痒を自覚し近医を受診、抗菌薬やステロイド内服などの治療を受けるも改善せず、紹介となった。初診時、左大腿部に軽度の発赤・腫脹、疼痛を認め、蜂窩織炎の疑いで抗菌薬を変更したが、左大腿部の発赤は紫斑に変化し、疼痛による歩行困難も出現した。入院時、画像所見では明らかな膿瘍形成を認めず、血液検査ではLRINEC scoreは0点であった。高用量の経静脈的抗菌薬投与を開始したが治療効果が得られず、その後の精査で特発性好酸球増多症候群、深部静脈血栓症、二次性血小板減少症と診断された。プレドニゾロン、ワルファリンカリウムの投与を開始したところ、血液検査所見や自覚症状はともに改善した。紫斑は広範囲に潰瘍化したため、計2回のデブリードマン、分層植皮術を施行し、創閉鎖が得られた。
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