症例
踵骨裂離骨折を契機に増悪した右踵部潰瘍の1例
渋谷 真美
1
,
徳永 茉以
,
岡本 奈都子
,
十一 英子
1国立病院機構京都医療センター 皮膚科
キーワード:
Bucladesine
,
Streptococcus agalactiae
,
X線診断
,
踵部
,
掻爬術
,
経皮投与
,
Streptococcus Infection
,
足部潰瘍
,
病勢悪化
,
骨折-剥離
,
細菌培養
,
踵骨骨折
,
拡散MRI
,
陰圧閉鎖療法
,
Prostaglandin E1-Alpha-Cyclodextrin
,
短下肢装具
Keyword:
Fractures, Avulsion
,
Administration, Cutaneous
,
Curettage
,
Bucladesine
,
Heel
,
Radiography
,
Streptococcal Infections
,
Streptococcus agalactiae
,
Foot Ulcer
,
Disease Progression
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
,
Negative-Pressure Wound Therapy
,
Prostaglandin E1-alpha-cyclodextrin
pp.463-467
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017233473
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70歳代女性。2年前より右踵部潰瘍で通院中であった。今回、急な歩行負荷後に潰瘍が増悪したため再診となった。再診時、右踵部に10cm大の発赤・熱感・悪臭を伴う潰瘍を認め、X線では踵骨裂離骨折が確認され、同日入院となった。MRIでは骨髄炎と骨折による炎症像の両者の可能性が考えられ、創部培養ではStreptococcus agalactiae 2+が検出された。だが、骨組織培養は陰性で、病理組織学的に骨髄内への炎症細胞浸潤もみられなかった。以上より、踵骨裂離骨折を契機に増悪した右踵部潰瘍と診断した。抗菌薬を投与し、潰瘍の局所処置、骨片の除去と骨折面の掻爬を行ったところ、CRPは低下した。その後、陰圧閉鎖療法を施行し、瘻孔は閉鎖し、潰瘍も縮小・上皮化が得られた。下肢も切断することなく、約3ヵ月で自宅退院することができた。
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