特集 代謝異常症・沈着症
透析患者に発生したTumoral Calcinosisの2例
宮崎 春野
1
,
佐藤 智也
,
市岡 滋
,
金 玲
,
新井 栄一
1埼玉医科大学附属病院 形成外科・美容外科
キーワード:
血液透析
,
腎不全-慢性
,
致死的転帰
,
拡散MRI
,
石灰沈着症-腫瘍状
Keyword:
Kidney Failure, Chronic
,
Renal Dialysis
,
Fatal Outcome
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.321-324
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017200148
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(51歳男)。39歳時に腹膜透析を導入、のちに週1回の血液透析も併用された。今回、右肘部の皮下腫瘤を自覚し、徐々に増大傾向を認めたため受診となった。初診時、右肘関節伸側に70mm大の分葉状皮下腫瘤を認め、MRI T1強調像では内部低信号の皮下腫瘤を認めた。症例2(40歳男)。36歳時に血液透析を導入された。今回、右膝部の腫瘤を自覚し、増大傾向にあったため受診となった。初診時、右膝関節伸側に50mm大の皮下腫瘤を認め、単純CTでは右膝蓋骨内側に粗大な石灰化を認めた。いずれの症例も初診1ヵ月後に全身麻酔下で腫瘤摘出術を施行した。病理組織学的にtumoral calcinosisの診断された。症例1は術後6ヵ月の時点で腫瘍の再発を認めなかったが、その後、別疾患で死亡となった。症例2は術後5年で再発を認め、局所麻酔下に摘出術を施行、術後1年の時点で再発はみられていない。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.