発行日 2005年4月1日
Published Date 2005/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005202433
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透析患者の中毒症性腫瘍状石灰症(UTC)発症例4例(男性3名,女性1名;年齢21-62歳)を対象に,病因と治療について検討した.発生部位は肘関節,股関節,膝関節,大腿部,手で,単発3例,多発1例であった.血液化学検査では血清P高値4例,血清Ca×P高値3例,PTH高値3例であった.病理組織像では,多量の石灰物質と,その周辺の異物巨細胞および組織球を全例で認めた.単発例3例は,1例は全身状態が悪化したため穿刺と排液を行い,UTCが縮小した.1例はエチドロン酸二ナトリウム,1例は炭酸Caで消失した.多発例は,エチドロン酸二ナトリウム内服と低Ca透析液にて股関節,肘関節のUTCは消失し,膝関節のUTCは縮小した.以上より,UTC発症の危険因子は血清P,Ca×P高値がである可能性がある.また,内科的治療に良く反応することより,内科治療を第一選択とすべきである.なお,日本における透析患者のUTC合併例は今までに41例である
©Nankodo Co., Ltd., 2005