症例
MRI拡散強調像および拡散強調像とT2強調像の融合画像が維持血液透析導入後の感染性腎嚢胞の診断および治療評価に有用であった一例
関口 紗千
1
,
阪 名月
,
新貝 早百合
,
松隈 英樹
1船橋二和病院 内科
キーワード:
Ciprofloxacin
,
大腸菌感染症
,
画像強調
,
血液透析
,
腎不全-慢性
,
多発性嚢胞腎-常染色体優性
,
拡散MRI
,
マルチモーダルイメージング
Keyword:
Renal Dialysis
,
Image Enhancement
,
Kidney Failure, Chronic
,
Ciprofloxacin
,
Polycystic Kidney, Autosomal Dominant
,
Escherichia coli Infections
,
Multimodal Imaging
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.416-420
発行日 2020年9月25日
Published Date 2020/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2021032927
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症例は80歳女性で、8年前より他院で常染色体優性多発性嚢胞腎の診断で経過観察をされていた。2年前に腎機能の悪化をきたし、左内シャントを施行、さらに血液透析を開始したが、発熱が持続するため精査加療を開始した。MRI上、T1およびT2強調像では感染源を診断できなかったが、拡散強調画像(DWI)にて右腎に高信号所見を認めた。また、DWIとT2強調像を融合させたところ、非常に鮮明に右腎嚢胞内に高信号の画像が得られ、嚢胞内感染と診断することができた。1ヵ月後、感染した嚢胞は縮小傾向にあったが、まだ感染が残存していると判断し、尿培養および血液培養の陰性を確認するまでシプロフロキサシンの投与を継続した。2ヵ月後に再度発熱をきたし、DWI+T2画像MRIを施行したところ、前回よりもさらに感染巣は縮小傾向にあったため、肺炎による発熱が主病態と判断し、アンピシリンの投与を行い全身状態は改善した。
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