Superficial Acral Fibromyxomaの1例 臨床的にグロムス腫瘍との鑑別を要した症例

54歳男。約1年前より左拇指に疼痛と爪甲の変形が出現した。初診時には左拇指のほぼ中央に幅4mmの爪甲欠損があり、その近位部の爪甲は軽度隆起と亀裂を伴い、欠損部の爪床は淡紅色、粗そうであった。MRI検査では左拇指爪甲下にT1強調画像で真皮と等信号、STIR画像で高信号を示す扁平で境界明瞭な結節を認め、グロムス腫瘍を疑い外科的切除を行った。切除標本の病理組織学的所見では粘液腫様の間質内に紡錘形や星芒状の線維芽細胞様細胞の増殖が認められ、腫瘍細胞の免疫染色ではvimentin、CD10、CD34、CD99陽性が認められたため、superficial acral fibromyxomaと診断した。