特集 薬疹・薬物障害
シアナミドによる中毒性表皮壊死症の1例
野崎 由生
1
,
勝野 正子
,
侯 建全
,
水野 尚
,
但木 太
1小田原市立病院 皮膚科
キーワード:
Cyanamide
,
IgG
,
Methylprednisolone
,
血漿交換
,
多剤併用療法
,
パッチテスト
,
表皮壊死融解-中毒性
,
大量薬物療法
,
パルス療法(薬物療法)
,
Meropenem
,
静脈内注入
Keyword:
Drug Therapy, Combination
,
Infusions, Intravenous
,
Immunoglobulin G
,
Methylprednisolone
,
Patch Tests
,
Plasma Exchange
,
Stevens-Johnson Syndrome
,
Pulse Therapy, Drug
,
Meropenem
,
Cyanamide
pp.13-16
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115811
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77歳男。シアナミドおよび他2剤の開始約2週間後に38℃台の発熱と腹部に散発する大豆大の紅斑を認めた。翌日には全身の約70%に紅斑が拡大し、粘膜疹や体表面積の約30%に及ぶ水疱やびらんを認め、紅斑の病理組織学的所見では表皮の広い範囲にケラチノサイトの変性、壊死がみられた。中毒性表皮壊死症(TEN)の診断基準を満たし、SCORTEN scoreによる推定死亡率は58.3%であり、ステロイドパルス療法、血漿交換療法を行うも表皮壊死の範囲が拡大したため、免疫グロブリン大量静注療法を行ったところ、皮疹は速やかに退色し、びらんは上皮化傾向を示した。原因薬剤検索目的のパッチテストでシアナミドのみ陽性、薬剤リンパ球刺激試験はすべて陰性より、シアナミドによるTENと確定した。
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