特集 薬疹・薬物障害
ブシラミン内服により生じたInterstitial Granulomatous Drug Reactionの1例
内海 友理
1
,
渡会 晃
,
増澤 真実子
,
安藝 良一
,
天羽 康之
1北里大学病院 皮膚科
キーワード:
関節炎-乾癬性
,
経口投与
,
肉芽腫
,
皮膚炎
,
Bucillamine
,
間質反応
Keyword:
Administration, Oral
,
Dermatitis
,
Granuloma
,
Arthritis, Psoriatic
,
Bucillamine
pp.9-12
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017115810
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70歳男。全身の皮疹を主訴とした。手指の腫脹、こわばり、多関節痛に対してブシラミンを開始したが、2ヵ月後より体幹・四肢に紅色小結節が出現した。初診時には背部を中心とした体幹・四肢に鱗屑とそう痒を伴う紅色小結節が多発し、一部はKoebner様に線状に融合しており、四肢には指頭大の角化性紅斑を認めた。血液検査では好酸球増多を呈し、背中の紅色小結節の病理組織学的所見では多数の好酸球浸潤を伴った真皮膠原線維間に組織球の増殖を主体とする肉芽腫性変化を認めた。薬疹を疑いブシラミンを中止したところ、約1ヵ月で紅色小結節はすべて色素沈着を残して消失し、内服試験で症状が再現された。また、角化性紅斑の病理組織像は乾癬の所見であり、関節症性乾癬患者に生じたブシラミンによるinterstitial granulomatous drug reactionと診断した。
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