Japanese
English
症例報告
Interstitial granulomatous drug reactionの1例
A case of interstitial granulomatous drug reaction
谷村 心太郎
1
,
横田 浩一
1
,
小玉 和郎
1
,
加藤 まどか
1
,
菊池 敏郎
1
,
木村 鉄宣
2
,
清水 宏
1
Shintarou TANIMURA
1
,
Koichi YOKOTA
1
,
Kazuo KODAMA
1
,
Madoka KATO
1
,
Toshirou KIKUCHI
1
,
Tetsunori KIMURA
2
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
2札幌皮膚病理研究所
1Depertment of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine
2Sapporo Institute for Dermatopathology
キーワード:
interstitial granulomatous drug reaction
,
類上皮細胞性肉芽腫
,
液状変性
,
テオフィリン
Keyword:
interstitial granulomatous drug reaction
,
類上皮細胞性肉芽腫
,
液状変性
,
テオフィリン
pp.1163-1165
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101477
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
77歳,女性.2000年7月から腹部に軽度の熱感とそう痒を伴う紅斑が出現.近医にてステロイド外用治療が行われたが,皮疹が拡大してきたため当科を受診した.初診時,胸腹部,臀部,左大腿に手掌大までの淡紅色から紫色の境界明瞭な浸潤を触れる環状の紅斑を複数個認めた.病理組織学的には表皮に液状変性を認めたほか,真皮の血管周囲および膠原線維間には類上皮細胞および巨細胞・リンパ球の浸潤を認め類上皮細胞性肉芽腫の像を呈していた.また,血管炎の所見はなく,膠原線維間にalcian blue染色陽性のムチンの沈着が認められた.以上の臨床的および病理所見より本症例はinterstitial granulomatous drug reactionと考えられたため,原因薬として疑わしい1996年から継続投与されていたテオフィリンの内服を中止して経過を観察したところ,皮疹は無治療で徐々に改善し初診の2か月後にはほぼ完全に消退した.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.