症例
長期寛解を確認したリンパ腫様丘疹症
森 俊典
1
1金沢市立病院 皮膚科
キーワード:
腫瘍退行-自然
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
リンパ腫様丘疹症
,
待機療法
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Neoplasm Regression, Spontaneous
,
Skin Neoplasms
,
Lymphomatoid Papulosis
,
Watchful Waiting
pp.1885-1887
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017081161
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72歳女。全身の丘疹・硬結を主訴とした。右頬にびらんを伴う15mm大の暗紅色硬結と少数の粟粒大紅色丘疹がみられ、体幹・四肢には大豆大までの紅色丘疹が20数個不規則に散在ないし集簇していた。病理組織学的所見では真皮深層におよぶ楔状の細胞浸潤があり、大型腫瘍細胞の小塊状増殖を認め、腫瘍細胞は多角形ないし類円形の淡明な胞体と明瞭な核小体、粗い核網を伴う核を有し、LCA、CD4、CD30陽性、CD8、ALK陰性であった。リンパ腫様丘疹症(LYP)と診断して無治療で経過を観察したところ、個疹は新生と自然消退を繰り返しながら徐々に減少し、1年後すべて消失した。自験例は典型的なtype A LYPと考えられ、約10年後に偶然の受診で再発やリンパ腫の発症がないと確認できたが、さらに長期の経過観察が必要であったと考えた。
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