症例
Trichophyton violaceumによるBlack Dot Ringwormを伴った頭部白癬の1例
竹之下 秀雄
1
,
穂積 美香子
,
山田 裕輔
,
安澤 数史
,
望月 隆
1白河厚生総合病院 皮膚科
キーワード:
顕微鏡検査法
,
経口投与
,
白癬-頭部
,
Terbinafine
,
真菌培養
,
Trichophyton violaceum
Keyword:
Administration, Oral
,
Microscopy
,
Tinea Capitis
,
Terbinafine
pp.1456-1460
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373725
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80歳女。頭部の皮疹を主訴とした。2ヵ月前より頭部にそう痒を伴う皮疹が出現し、初診時には紅斑と鱗屑を伴う境界不明瞭な脱毛斑、black dot ringwormを認めた。病理組織学的所見、真菌学的検査所見では毛根部周囲の真皮内に炎症細胞が浸潤して膿瘍を形成しており、膿瘍内には巨細胞を含む肉芽腫を認め、毛根部の内外には菌糸様ないし胞子様の真菌要素がみられた。また、真菌を継代培養した巨大培養所見は黄白色の集落表面に皺状の隆起と蝋様光沢を認め、真菌のITS領域の塩基配列がTrichophyton violaceumと一致した。以上より、同菌によるblack dot ringwormを伴う頭部白癬と診断し、テルビナフィン塩酸塩125mg/日を内服したところ、約2ヵ月で治癒した。
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