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デクスラゾキサンにより治療した抗癌剤の血管外漏出の1例
中川 優生
1
,
金子 栄
,
森田 栄伸
1島根大学 皮膚科学教室
キーワード:
Dexamethasone
,
Mitoxantrone
,
腫瘍多剤併用療法
,
診断物質と治療物質の遊出
,
リンパ腫
,
Cladribine
,
Dexrazoxane
,
静脈内注入
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Extravasation of Diagnostic and Therapeutic Materials
,
Dexamethasone
,
Infusions, Intravenous
,
Lymphoma
,
Mitoxantrone
,
Cladribine
,
Dexrazoxane
pp.1462-1463
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016373726
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70歳女。左前腕の青色変化・腫脹を主訴とした。悪性リンパ腫Stage IVにて加療中であり、4回目の再発に対してクラドリビン、ミトキサントロン、デキサメタゾンの3剤併用療法(CMD療法)を開始した。80% doseCMD療法3コース目の際、ミトキサントロン投与時に左前腕点滴刺入部に5×3cm大の内出血斑・腫脹と軽度の紅斑を認めたため、院内の医療安全管理・危機管理対応マニュアルに従って速やかに患肢挙上・漏出部位冷却・クロベタゾール軟膏外用、デキサメタゾン局注を行い、1時間45分後頃にデクスラゾキサン投与を開始した。その結果、血管外漏出の翌日から紅斑と腫脹は改善し、皮下出血斑は徐々に吸収されて42日後には瘢痕、色素沈着となり、その後も重篤な皮膚障害を認めることなく経過した。漏出後388日後現在、瘢痕、色素沈着以外に目立った変化はなく、瘢痕は少しずつ改善している。
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