症例
高校相撲部員に生じたTrichophyton tonsurans感染症の2例
神崎 美玲
1
,
市毛 多衣子
,
鈴木 優
1水戸済生会総合病院 皮膚科
キーワード:
顕微鏡検査法
,
疾病の発生
,
経口投与
,
白癬-頭部
,
Itraconazole
,
高校生
,
真菌培養
,
相撲
,
Trichophyton tonsurans
Keyword:
Administration, Oral
,
Disease Outbreaks
,
Microscopy
,
Tinea Capitis
,
Itraconazole
pp.1573-1577
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016404572
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17歳男子。他校との相撲の合同合宿に参加後、頭部に脱毛を伴う落屑性紅斑と毛包一致性の膿疱が出現した。圧迫すると出血と排膿し、病毛は容易に抜去でき、疼痛と発熱を伴った。病巣部毛髪のKOH直接鏡検で多数の真菌要素が検出された。分離菌のスライド培養所見では菌糸からマッチ棒ないしゴマ粒状の小分生子が多数側生するのを認め、Trichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡と診断した。イトラコナゾール(ITCZ)200mg/日を2ヵ月間内服して治療し、6ヵ月後には略治した。さらに患者が所属する相撲部の生徒5名と指導教員を対象とした集団検診の結果、1名の生徒にT.tonsuransによるblack dot ringwormを発見し、ITCZ 150mg/日を6週間内服して治療した。
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