症例
アデノウイルスおよびマイコプラズマ感染の関与が示唆された急性汎発性発疹性膿疱症の小児例
高山 恵律子
1
,
菊澤 亜夕子
,
郷間 環
,
瀬戸 英伸
1高槻病院 皮膚科
キーワード:
マイコプラズマ感染症
,
Steroids
,
ヒトアデノウイルス感染症
,
経皮投与
,
急性汎発性発疹性膿疱症
,
補液療法
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Adenovirus Infections, Human
,
Fluid Therapy
,
Mycoplasma Infections
,
Steroids
,
Acute Generalized Exanthematous Pustulosis
pp.1279-1282
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355252
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6歳女児。5日前に39℃の発熱と頭痛が出現し、翌日にアデノウイルス迅速検査が陽性であった。クラリスロマイシン、クレマスチンフマル酸塩、耐性乳酸菌製剤の3剤を内服したが、同日夜より紅斑が出現し入院となった。頭部・顔面を除く、ほぼ全身に紅斑が多発して癒合し、下顎部や上肢、臀部、大腿の間擦部を中心に小膿疱が多発していた。血液検査で白血球数とCRP値が高値を示し、膿疱の細菌培養は陰性であった。膿疱の皮膚生検で角層下に好中球性膿疱が認められた。3剤を中止し、ステロイド外用を開始したところ、速やかに発熱や皮疹が改善した。回復後(第23病日)、入院時に陰性であったマイコプラズマ(MP)抗体が陽転し、MPの感染が判明した。3剤の薬剤リンパ球刺激試験、パッチテスト、内服誘発テストは陰性であった。以上より、アデノウイルスとMPの感染、または感染と薬剤の重複要因により発症した急性汎発性発疹性膿疱症と診断した。
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