症例
サプリメントの過剰摂取による柑皮症の1例
光井 聖子
1
,
岡崎 洋介
,
川上 佳夫
1岡山市立総合医療センター岡山市立市民病院 皮膚科
キーワード:
経口投与
,
Beta Carotene
,
栄養補助食品
,
柑皮症
Keyword:
Administration, Oral
,
Dietary Supplements
,
beta Carotene
pp.1283-1286
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355253
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63歳女。左脛骨・脛骨遠位部骨折で整形外科に入院し、内固定術が施行されたが、術後2日に四肢・体幹に痒みのある発疹が出現した。四肢・体幹に融合傾向のある紅斑を認め、入院後に投与されたセレコキシブによる薬疹を疑った。同薬を中止し、2日後に紅斑が消退したが、同日病棟より「皮膚が黄色い」との報告を受けた。2ヵ月前からβ-カロチンを含むサプリメントを服用しており、1日あたりのβ-カロチン摂取量は81mgであった。顔面を含む全身の皮膚が黄色調を呈し、特に両手掌・足底で色調が強かった。血中β-カロチン値は315.6μg/dlと高値を示し、柑皮症と診断した。サプリメントを中止したところ、5週後に血中β-カロチン値が116.9μg/dlに低下し、皮膚色も健常人と同程度にまで改善した。
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