特集 代謝異常症・沈着症
巨大な血疱を呈したALアミロイドーシス
木田 尚子
1
,
武原 康平
,
石井 貴之
,
八田 尚人
,
尾崎 淳
1富山県立中央病院 皮膚科
キーワード:
骨髄腫-多発性
,
紫斑病
,
水疱
,
生検
,
アミロイドーシス
,
致死的転帰
Keyword:
Amyloidosis
,
Blister
,
Biopsy
,
Multiple Myeloma
,
Purpura
,
Fatal Outcome
pp.1226-1229
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355243
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92歳女。全身紫斑を主訴とした。4年前から上肢に紫斑が出現し、徐々に拡大して血疱、びらんを生じるようになった。眼囲を含む全身に大小様々な大きさの紫斑を認め、臀部に手掌大のびらん、首に巨大な弛緩性血疱が存在した。紫斑の皮膚生検で表皮下に裂隙形成を認め、真皮浅層から中層および真皮血管周囲に好酸性無構造物の沈着を認めた。無構造物はcongo red陽性、過マンガン酸カリウム処理抵抗性、AE1/AE3陰性、免疫グロブリンλ鎖陽性であった。多発性骨髄腫に伴うALアミロイドーシスと診断し、患者の希望で対症療法で経過をみることにした。ゲンタマイシン硫酸塩軟膏を外用したが、初診後3ヵ月に肺炎、心不全で死亡した。
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