特集 代謝異常症・沈着症
紫斑を契機に診断し得た全身性アミロイドーシスの1例
清水 恭子
1
,
新石 健二
,
加治 賢三
,
辻端 亜紀彦
,
田中 眞也
,
青木 剛
,
春木 智江
1国民健康保険小松市民病院 皮膚科
キーワード:
血管炎
,
骨髄腫-多発性
,
紫斑病
,
鑑別診断
,
アミロイドーシス
,
Bortezomib
,
後天性血液凝固第VIII因子欠乏症
Keyword:
Bortezomib
,
Amyloidosis
,
Diagnosis, Differential
,
Multiple Myeloma
,
Purpura
,
Vasculitis
,
Factor 8 Deficiency, Acquired
pp.1219-1222
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355241
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75歳男。顔面の皮疹を主訴とした。1ヵ月前より顔面に痛みや痒みのない紅色の皮疹が出現し、徐々に増数した。特に口周囲と眼周囲、舌両側と舌尖部、鼠径部から大腿内側部に紫斑が散在していた。紫斑部の皮膚生検で真皮上層にcongo red陽性の沈着物を認め、過マンガン酸カリウム処置後もcongo redの染色性を失わなかったことから、紫斑はALアミロイドーシスによるものと考えられた。さらに、血液検査でM蛋白血症を呈したこと、免疫電気泳動法で抗IgA血清と抗λ血清に対し沈降線を形成し、尿でいわゆるBence-Jones蛋白を検出したこと、骨髄生検で形質細胞の腫瘍性増殖を認めたことから、多発性骨髄腫に伴う全身性アミロイドーシスと診断した。その後、他院でボルテゾミブを用いた化学療法が開始された。
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