特集 代謝異常症・沈着症
無疹部の皮膚生検で診断し得た全身性アミロイドーシスの1例
林 美穂
1
,
村野 啓明
,
小野 浩弥
,
村田 健
1草加市立病院 皮膚科
キーワード:
腫瘍多剤併用療法
,
骨髄腫-多発性
,
生検
,
皮膚
,
アミロイドーシス
,
BD Protocol (Bortezomib-Dexamethasone)
Keyword:
Amyloidosis
,
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Biopsy
,
Multiple Myeloma
,
Skin
pp.1223-1225
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355242
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
63歳女。労作時胸部絞扼感を主訴とした。循環器内科で冠攣縮狭心症、心不全として内服治療が行われたが、心不全が悪化した。また、IgG-λ型M蛋白血症、尿中Bence-Jones蛋白が認められ、多発性骨髄腫合併全身性アミロイドーシスが疑われた。血液内科で骨髄穿刺により多発性骨髄腫と診断され、全身性アミロイドーシスに対し十二指腸・直腸生検が行われた。しかし、アミロイドの沈着はなく、皮膚生検のため当科を紹介受診した。明らかな皮膚、粘膜症状は認めず、腹部の無疹部の皮膚生検で真皮の小血管壁と汗腺周囲に好酸性無構造物の沈着を認めた。構造物はcongo red染色とdirect fast scarlet染色で橙色の陽性像を呈した。偏光観察で緑色の発光を認め、アミロイドの沈着と考えられた。以上より、骨髄腫合併ALアミロイドーシスと診断した。多発性骨髄腫はボルテゾミブ・デキサメタゾンの治療が奏効し、心不全は内服治療中である。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.