発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004159547
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67歳女.主訴は口腔乾燥症状.尿タンパク(++),Mタンパクを伴うγグロブリンの増加がみられ,腹部CT所見で肝嚢胞と肝腫大肝と脾に非常に不均一なdensityを示し,アミロイドーシスでみられる所見に矛盾しなかった.腎生検所見で糸球体はいずれもmesangial areaにPAS陽性の沈着物を認め,同部位はアミロイド染色陽性であった.間質の一部と小血管壁にも同様の沈着物が認められた.これ以上のアミロイド産生を抑制する目的でMP療法(melphalan 6mg,prednisolone 60mgを4日間)と,腎障害予防の目的で抗凝固療法を併用した.MP療法によりγグロブリンの低下が認められた.しかし,黄疸の進行と腎機能の悪化を認め,尿タンパクは全く減少しなかった.透析を開始し,黄疸の進行は止まったが,心アミロイドーシスが原因と思われる血圧低下が認められ,透析困難な状況となり,透析は中止し,3日後突然心室細動となり,永眠された
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