特集 代謝異常症・沈着症
長期にわたり皮疹の新生が続く皮膚限局性結節性アミロイドーシスの1例
井上 有美子
1
,
中村 かおり
,
寺木 祐一
1埼玉医科大学総合医療センター 皮膚科
キーワード:
皮膚疾患-顔面
,
発疹
,
免疫組織化学
,
待機療法
,
アミロイドーシス-皮膚
Keyword:
Exanthema
,
Facial Dermatoses
,
Immunohistochemistry
,
Watchful Waiting
pp.1215-1217
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016355240
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59歳女。約1年前より出現した顔面の皮疹を主訴とした。右上口唇に小豆大の紅褐色結節、右頬部と鼻尖部に不整形で紅褐色の扁平結節を認めた。血算、生化学に異常はなく、尿中Bence-Jones蛋白は陰性、血清蛋白免疫電気泳動は正常であった。頭部X線像、心電図、骨髄に異常所見はみられなかった。結節の皮膚生検で真皮浅層から皮下組織までびまん性にエオジンに淡染する無構造物質の沈着を認めた。この無構造物質はdirect fast scarlet染色で橙赤色に染色され、過マンガン酸カリウムで染色性が失われず、沈着物はアミロイドと考えられた。沈着しているアミロイドは免疫組織染色で抗AL(λ)抗体に陽性を示した。皮膚限局性結節性アミロイドーシスと診断し、皮疹が多発していることから外科切除は行わず、ステロイド外用、タクロリムス軟膏外用を試みた。しかし、効果がなく、発症後10年の現在まで前額部や鼻に皮疹の新生が続いている。
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