症例
多発性表皮嚢腫のひとつが外陰部に発生し、MRIによる鑑別を試みた1例
會沢 哲士
1
1防衛医科大学校 形成外科
キーワード:
外陰疾患
,
局所麻酔
,
MRI
,
鑑別診断
,
表皮嚢胞
,
拡散MRI
,
大陰唇
Keyword:
Anesthesia, Conduction
,
Diagnosis, Differential
,
Epidermal Cyst
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Vulvar Diseases
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.729-732
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318352
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67歳女。約10年前より外陰部に腫瘤が出現し、徐々に拡大した。右大陰唇に18×15×10mmの弾性軟、可動性良好な隆起性腫瘤を認めた。MRIで右外陰部にT1強調像で筋体とほぼ同程度の信号を示し、T2強調像で高信号を示す境界明瞭な腫瘤影を認めた。右臀部、右大腿部にも腫瘤影を認め、その信号は様々であったが、外陰部腫瘤とは明らかに異なる信号強度であった。いずれの腫瘤も拡散強調像で高信号を示した。局所麻酔下に外陰部、右臀部、右大腿部の腫瘤を全て摘出した。腫瘤は嚢胞様で、切開により黄白色、クリーム状の内容物を確認した。病理組織学的にいずれの腫瘤も真皮内に重層扁平上皮で裏打ちされた嚢胞様構造がみられ、内腔に層状の角化物を伴っていた。皮脂腺などの付属物はなく、表皮嚢腫と診断した。術後4ヵ月の現在、再発を認めていない。
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