症例
皮膚骨腫の1例
白川 典子
1
,
真弓 暢子
,
朝山 祥子
,
佐伯 秀久
1日本医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
生検
,
皮膚疾患-顔面
,
毛包炎
,
皮膚鏡検査
,
皮膚骨腫
Keyword:
Biopsy
,
Facial Dermatoses
,
Folliculitis
,
Dermoscopy
pp.733-736
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016318353
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76歳女。左頬部の小結節を主訴とした。サルコイドーシスの既往があった。約10年前から顔面に時々毛包炎を生じ、クリンダマイシン酸エステルゲルの外用で改善していた。その後、左頬部に小丘疹が出現したが、同剤で改善しなかった。左頬部に表面平滑、淡紅色の2mm大の小結節を認め、全摘生検した。病理組織学的に表皮から真皮全層・皮下組織にかけて好酸性に染まる類円形の結節を2個認めた。その近傍に毛包組織があったが、この結節との連続性はなかった。真皮浅層から中層にはリンパ球を中心とした密な細胞浸潤があった。結節の中央に疎な結合織と脂肪組織からなるハバース管様の管腔があり、その周囲は層板状の骨組織が形成されており、内部に骨細胞や骨芽細胞様の細胞がみられた。骨との連続性はなく、皮膚骨腫と診断した。切除から7ヵ月が経過した現在、再発を認めていない。
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