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症例1は69歳女性で、1ヵ月前、下眼瞼にそう痒を伴わない紅斑が出現し、ステロイド外用剤で改善せず徐々に隆起し、丘疹化したため受診し下眼瞼皮膚を生検し顔面播種状粟粒性狼瘡(LMDF)と診断し、テトラサイクリン塩酸塩を内服し、皮疹は消退し一度休薬した。初診2年8ヵ月後に前額、頬部、眼瞼に紅色丘疹、右前腕に2~3mm大の紅色丘疹が出現した。血算、生化学に異常なく、ACE 20.0IU/l、Ca 9.2mg/dl、Tスポット.TB陰性で胸部X線で肺門部リンパ節に腫脹なく、眼科検診で異常所見はなかった。初診時下眼瞼と再発時前腕は2ヶ所とも真皮に類上皮細胞で構成される肉芽腫がみられ、多核巨細胞が散見された。肉芽腫周囲にリンパ球浸潤があり、右前腕では乾酪壊死も伴い、Ziehl-Neelsen染色は陰性であった。臨床、病理組織像からLMDF再発と診断しドキシサイクリン塩酸塩(DOXY)100mg/日内服し、顔面、前腕の紅色丘疹は軽快した。症例2は62歳女性で、3ヵ月前、頬部から頸部にかけそう痒のない紅斑が出現しステロイド外用剤で改善せず、紹介受診した。初診後2週間で左前腕にも紅色丘疹が出現した。眼瞼周囲、頬部、頸部に多発した。血算、生化学に異常なく、ACE 19.3IU/l、Ca 9.4mg/dl、Tスポット.TB陰性で胸部X線で肺門部リンパ節に腫脹なく、眼科検診で異常所見はなかった。頸部では毛包周囲に類上皮細胞肉芽腫がみられ、肉芽腫の周囲にリンパ球が浸潤していた。前腕表皮下には組織球、リンパ球が集簇する部位を認め、Ziehl-Neelsen染色は陰性であった。顔面外病変に伴うLMDFと診断し、DOXY内服100mg/日で皮疹は改善し、7ヵ月後に50mg/日に減量したが増悪はない。
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