症例
腋窩に生じた皮膚粘液癌の1例
牧野 由美
1
,
内山 真樹
,
倉繁 祐太
,
桐山 徳子
,
刈谷 隆之
,
岸田 功典
,
峯村 徳哉
,
中村 充貴
,
長谷 哲男
1東京医科大学八王子医療センター 皮膚科学教室
キーワード:
腋窩
,
粘液腺癌
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
,
皮膚外科
Keyword:
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Axilla
,
Immunohistochemistry
,
Skin Neoplasms
,
Dermatologic Surgical Procedures
pp.581-584
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016280961
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症例は72歳男性で、右腋窩の結節を自覚し、その後、増大傾向で、部分生検を施行し、病理組織所見で腺癌と診断された。右腋窩に10×13mm大のドーム状に隆起する硬い結節があり、中央に痂皮を伴っていた。結節は弾性硬で、下床との可動性は良好であった。腋窩リンパ節を含む所属リンパ節は触知しなかった。右腋窩の結節について全摘術を施行した。病理組織学的所見は真皮から皮下組織にかけ、菲薄な線維性隔壁で区切られ、豊富な粘液で満たされた多房性構造があり、大小の腫瘍細胞塊が粘液プールに島状に浮かぶ腫瘍細胞はクロマチンが濃染する核をもつ小型細胞と、やや大型で核小体が顕著で淡明な核をもつ細胞より構成されていた。小型細胞の増殖巣では管腔構造がみられ、篩状を呈している部位もあった。粘液はPAS染色陽性、ジアスターゼ抵抗性でアルシアン・ブルー(pH2.5)染色で青染し、プールへと連続して染色された。頸部・腹部・骨盤部CTで他臓器病変を示唆する所見はなく、皮膚粘液癌(MCS)と診断した。拡大切除術を施行し、術後1年は再発がない。
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