論究
65歳以上の高齢者寛骨臼骨折の治療成績
坂越 大悟
1
,
澤口 毅
,
重本 顕史
,
羽土 優
1富山市立富山市民病院 整形外科関節再建外科
キーワード:
X線診断
,
寛骨臼
,
内固定法
,
骨ねじ
,
X線CT
,
日常生活活動
,
治療成績
,
高齢者評価
,
股関節置換術
,
MPR (Multiplanar Reconstruction)
,
骨盤骨折
Keyword:
Acetabulum
,
Activities of Daily Living
,
Bone Screws
,
Fracture Fixation, Internal
,
Radiography
,
Geriatric Assessment
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
pp.599-604
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016332493
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著者らの施設で手術加療を施行した65歳以上の高齢者寛骨臼骨折11症例11関節(男性8例、女性3例、年齢65~89歳、平均年齢75.6±7.6歳、経過観察期間6~48ヵ月)の治療成績について検討した。1)受傷機転は交通外傷や転落外傷などが6例、転倒などが5例で、骨折型は前柱骨折が4例ほか、前壁骨折、横骨折、両柱骨折、前柱+後方半横骨折が各1例であった。また、合併損傷は脳挫傷、歯突起骨折、大腿骨頭骨折が各1例であった。2)手術術式は前柱骨折、前壁骨折の各1例、両柱骨折の4例の計6例にはIlio-inguinal approachでの骨接合術が行われ、転位が軽度な前柱骨折の2例には整復後に透視化経皮的スクリュー固定術が施行されていた。一方、受傷時に臼蓋関節面の高度な粉砕や骨頭損傷を伴っていた前壁骨折、横骨折、前柱+後方半横骨折の各1例の計3例には一期的人工股関節置換術(THA)が施行されていた。3)平均手術時間と術中出血量はItio-inguinalでの骨接合術は358分・824mlで、経皮的スクリュー固定術は62分・210ml、一期的THAは315分・315mlであった。4)最終観察時において、骨癒合は全例で得られていた。11例中10例(91%)は術前のADLレベルに復帰していたが、1例においては術後9ヵ月で肝臓がんのため死亡していた。尚、ADL低下、インプラントの緩み、感染、症候性肺塞栓症などの合併症は認められなかった。
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