経験と考察
人工膝関節全置換術における術前抗凝固療法による術後早期深部静脈血栓症予防の試み
望月 猛
1
,
廣島 亮
,
矢野 紘一郎
,
川上 公誠
,
高岡 宏光
,
肥沼 直子
,
白旗 敏克
,
桃原 茂樹
1鎌ヶ谷総合病院 整形外科
キーワード:
関節疾患
,
Hemoglobins
,
膝関節
,
術後合併症
,
術前管理
,
皮下注射
,
発生率
,
臨床試験
,
Enoxaparin
,
Doppler超音波診断
,
治療成績
,
静脈血栓症
,
膝関節置換術
,
Fibrin Fragment D
Keyword:
Clinical Trials as Topic
,
Hemoglobins
,
Joint Diseases
,
Injections, Subcutaneous
,
Knee Joint
,
Postoperative Complications
,
Preoperative Care
,
Incidence
,
Treatment Outcome
,
Enoxaparin
,
Ultrasonography, Doppler
,
Arthroplasty, Replacement, Knee
,
Venous Thrombosis
,
Fibrin Fragment D
pp.1149-1151
発行日 2015年10月1日
Published Date 2015/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016081667
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術前抗凝固療法を行い、片側人工膝関節全置換術(TKA)を施行した29例(P群)の術後深部静脈血栓症(DVT)陽性率、D-dimer値、Hb値の変化を、術前抗凝固療法を行わずに片側TKAを施行した182例(N群)と比較検討した。その結果、DVTの陽性率は、術後1日でP群10.3%、N群14.8%であり、30.4%減少した。術後2日目はP群17.2%、N群24.2%で、28.9%減少した。P群はN群と比べ、術後1日、2日目のD-dimer値が有意に低かったが、Hb値の低下は大きくなる傾向にあった。以上の結果から、術前抗凝固療法の使用により術後早期のDVT発生率を抑制できる可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2015