臨床
上腕骨外側顆楔状骨切り術を施行しても肘関節全体の関節症に至った上腕骨小頭離断性骨軟骨炎症例の検討
森谷 浩治
1
,
吉津 孝衛
,
幸田 久男
,
植木 将人
1新潟手の外科研究所
キーワード:
X線診断
,
関節可動域
,
関節形成術
,
変形性関節症
,
関節鼠
,
骨切り術
,
骨軟骨炎-離断性
,
上腕骨
,
スポーツ障害
,
X線CT
,
肘関節
,
治療成績
,
RS3PE症候群
,
スポーツ復帰
Keyword:
Return to Sport
,
Athletic Injuries
,
Arthroplasty
,
Elbow Joint
,
Joint Loose Bodies
,
Humerus
,
Osteochondritis Dissecans
,
Osteotomy
,
Osteoarthritis
,
Radiography
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Range of Motion, Articular
,
Treatment Outcome
pp.117-121
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00767.2016180767
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著者らは1983年~2014年の間に上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(OCD)236例239関節に対して上腕骨外側顆楔状骨切り術、またはその変法を施行した。今回、術後に肘関節全体に関節症(OA)性変化を認めた18症例(男性17例、女性1例、手術時平均年齢14歳、平均経過観察期間4.1年)を対象に術前病期と病巣部位、OA変化の推移について調査した。その結果、1)吉津の病気分類では晩期分離型は8例、混合型は2例、遊離型は8例で、病巣部位は広範囲型が12例、外側型が3例、中央型が3例であり、多くは術前から肘関節内・外側、前・後方のいずれか複数にOA変化を認め、術後は全例肘関節全体に進行していた。2)上腕骨小頭の外側壁を含む広範な病巣を有し、術前から肘関節の複数個所にOA性変化を伴うOCDの中には本骨切り術を施行しても肘関節全体に及ぶ高度なOAに至る症例が存在した。以上、本研究結果自体が本骨切り術の限界なのか、または進行したOCDが有する抗えない自然経過なのかについては今後も検討する必要があると考えられた。
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