発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2003308699
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症例1は32歳男.3年前ごろより左手関節の腱鞘炎として近医にてステロイド注射を数回受けていたが,水道のバルブを左手で抑える作業を長時間行った後に左母指が伸展不可能となった.単純X線写真では異常はなく,手術にて手関節背側第3コンパートメントを展開し腱の完全断裂が認められた.症例2は43歳男.スキーの後にグローブをはずした際に右母指の伸展障害が出現し,単純X線所見では異常はなく,左長母子伸筋腱皮下断裂の診断にて手術を行い確定診断となった.症例1は慢性の腱鞘炎の存在とステロイド注射による腱の変性と脆弱化の進行が,症例2ではスキーグローブのストラップによる圧迫が腱断裂の原因と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003