発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012080894
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43歳男性(こいのぼり職人)。38歳時に左母指伸展障害を主訴に著者らの施設へ初診となった。所見より左手の長母指伸筋(EPL)腱皮下断裂の診断にて固有示指伸筋(EIP)腱移行術を行い、術後7週で職場に復帰し、術後11週でROM制限は改善した。だが、この初回術後約5年経過で右母指伸展障害が出現、再受診にて右手EPL腱皮下断裂と診断され、左側と同様にEIP腱移行術を行い、術後8週で職場復帰し、術後11週でROM制限はほぼ消失した。尚、Riddellの評価では両側ともexcellentであった。以上、これらの臨床経過からも本症例は20年前より手捺染という手法によるこいのぼり染色を行っており、仕事上、手関節の使いすぎがEPL腱皮下断裂の発症原因と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011