手術症例報告
胃切除術後の十二指腸断端縫合不全症例の検討
日高 重和
1
,
若田 幸樹
,
濱崎 景子
,
國崎 真己
,
安武 亨
,
永安 武
1長崎大学 大学院腫瘍外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
再手術
,
十二指腸疾患
,
腸瘻
,
Roux-en-Y吻合術
,
吻合部漏出
,
腹腔ドレナージ
Keyword:
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Duodenal Diseases
,
Gastrectomy
,
Intestinal Fistula
,
Reoperation
,
Stomach Neoplasms
,
Anastomotic Leak
pp.1625-1629
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017080171
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胃切除術、胃全摘術が行われた症例において十二指腸断端縫合不全は稀である。今回、5症例を経験したので、その背景因子、治療経過等について検討した。5症例の平均年齢は73.4歳で、男性3名、女性2名で、胃切除、胃全摘で十二指腸を切離、縫合した例のうち1.2%で発症していた。全例が初回手術時のドレーン抜去後に縫合不全が発症しており、予防的ドレーン診断、治療的意義は乏しいと思われた。腹痛等の症状は40%のみであり、術後の発熱、白血球増加等の臨床検査所見や腹部診察所見等から判断し、速やかに各種画像診断を行うことが重要であり、腹部X線CT検査が確定診断に有用であった。5例全例で緊急手術が行われており、瘻孔からの消化液の流出を最小限にする必要があると思われた。
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