手術症例報告
幽門輪温存膵頭十二指腸切除、膵胃吻合再建後の残胃癌に対して、根治切除を行った5例の経験
平松 和洋
1
,
加藤 岳人
,
柴田 佳久
,
吉原 基
,
青葉 太郎
,
山口 直哉
1豊橋市民病院 外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
十二指腸腫瘍
,
術後合併症
,
総胆管腫瘍
,
胆管癌
,
胆管腫瘍
,
胆膵管膨大部
,
入院期間
,
Roux-en-Y吻合術
,
噴門
,
幽門
,
治療成績
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
膵炎-慢性
,
膵胃吻合術
,
生存期間
,
幽門輪温存膵十二指腸切除
Keyword:
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Cardia
,
Bile Duct Neoplasms
,
Duodenal Neoplasms
,
Common Bile Duct Neoplasms
,
Gastrectomy
,
Length of Stay
,
Postoperative Complications
,
Pylorus
,
Stomach Neoplasms
,
Ampulla of Vater
,
Cholangiocarcinoma
,
Treatment Outcome
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
,
Pancreatitis, Chronic
pp.1113-1120
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016367787
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幽門輪温存膵頭十二指腸切除(PPPD)、膵胃吻合(PG)再建後の残胃癌に対し、根治切除を行った5例(男性4例、女性1例、56〜83歳、平均年齢72歳)を、術前の画像診断におけるPGと胃癌病変との位置関係により以下の4グループに分け、検討、報告した。【グループA】は病変が膵胃吻合部より十分に肛門側(3cm以上)にあるもの(2例)、【グループB】は病変が膵胃吻合部に近接しているか(3cm以内)、浸潤しているもの(1例)。【グループC】病変が膵胃吻合部より十分に口側(3cm以上)にあるもの(1例)、【グループD】はその他、膵胃吻合部とは長軸方向の距離で近接しているが、病変が小さく前壁に限局しており、残胃吻合を温存して切離可能なもの(1例)であった。その結果、PGを解剖学的に温存できないグループBの1例以外は、PGを温存する術式を施行でき、術後早期の結果としては、在院死亡はなく、膿胸を併発した1例以外はとくに合併症もなく退院できた。PPPD術後でPG再建後の残胃癌については、術前から病変とPGとの位置関係によってその術式が計画でき、病変がPGから十分離れている場合、PGを温存した術式を施行しても短期・中期ともに比較的良好な成績が期待できると考えられた。
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