手術症例報告
食道癌術後の再建胃管GISTに対して胃管部分切除を施行した1例
荻野 真平
1
,
小西 博貴
,
塩崎 敦
,
藤原 斉
,
大辻 英吾
1京都府立医科大学 外科学教室消化器外科学部門
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
術後合併症
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
免疫組織化学
,
Gastrointestinal Stromal Tumor
,
食道胃吻合術
Keyword:
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoplasty
,
Gastrectomy
,
Immunohistochemistry
,
Postoperative Complications
,
Stomach Neoplasms
,
Gastrointestinal Stromal Tumors
pp.1109-1112
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016367786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
食道癌術後の胸骨後経路再建胃管に生じたGIST(Gastrointestinal Stromal Tumor:消化管間質腫瘍)に対し、胃管部分切除が可能であった症例(78歳男性)について報告した。再建胃管に生じたGISTでは、外科切除的に大きな侵襲を伴うため十分な検討が必要である。本症例では、術前に超音波内視鏡検査・穿刺生検によりGISTと診断されたが、MIB-1 labeling indexが約3%で、低悪性であることが予想され、患者の全身状態が良好で、切除希望も強かったことから手術を施行した。切除に際しては、再建胃管や栄養血管の損傷には十分な注意が必要で、本症例では、腹部で右胃大網動静脈を確保した後、再建胃管と胸骨後面の癒着を腹腔鏡補助下に鈍的に剥離することで、安全な胸骨正中切開が可能であった。
Copyright © 2016, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.