連載 人工膝関節 ~大切なのに誰も教えてくれない基本~
(第6回)
「タニケット:当たり前だと思っていませんか?」
格谷 義徳
1
1阪和人工関節センター
pp.427-430
発行日 2025年4月19日
Published Date 2025/4/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000002124
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タニケットを使用して1時間以上(時には2時間近く)四肢を駆血する行為は,血管外科医に言わせれば“ありえない”ことであり,驚き(蛮行?)以外の何物でもないらしい(図1)。もちろん,われわれ整形外科医にはタニケット駆血下に多くの手術をしてきた実績があるし,手術時間の短縮,無血野の確保,さらにTKA(total knee arthroplasty)ではセメント圧入という利点があるのも事実である。しかし,患者の高齢化と起こりうる有害事象の重篤さから,TKAに限って言えば“全例へのタニケット使用は正当化しがたい”と考えている。

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