特集 上肢の麻痺と痛み
平山病・flexion myelopathyに伴う上肢麻痺:脊椎外科医の立場から
古矢 丈雄
1
,
牧 聡
1
,
佐久間 毅
1
,
國府田 正雄
1,2
,
山崎 正志
1,2
,
大鳥 精司
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
2筑波大学医学医療系整形外科
キーワード:
平山病(Hirayama disease)
,
若年性一側上肢筋萎縮症(juvenile muscular atrophy of unilateral upper extremity)
,
屈曲性脊髄症(flexion myelopathy)
,
手術療法(surgical treatment)
Keyword:
平山病(Hirayama disease)
,
若年性一側上肢筋萎縮症(juvenile muscular atrophy of unilateral upper extremity)
,
屈曲性脊髄症(flexion myelopathy)
,
手術療法(surgical treatment)
pp.532-539
発行日 2022年5月19日
Published Date 2022/5/19
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000001011
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平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)は,病名のように若年に発症する一側上肢の前腕尺側筋,小手筋の筋萎縮を生じる疾患である。診断には頚椎屈曲位でのMRIが有用である。平山病の病態は頚髄前角の循環障害性虚血性壊死とされている。治療は保存療法が第一選択であるが,保存療法に抵抗性で症状が進行する場合に手術療法が選択される。手術療法には頚椎前方固定術・後方固定術,硬膜形成術などがあり,手術は症状進行に対し一定の抑制効果がある。手内筋筋萎縮が完成し,重度の手指伸展障害や握力低下を生じる前,中間位MRI上での脊髄萎縮(扁平化)をきたす前での手術介入が望ましい。
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