Japanese
English
特集 脊椎外傷の最近の進歩(上位頚椎を除く)(第24回日本脊椎外科学会より)
頚椎flexion myelopathy手術症例の検討
Surgical Treatment of Cervical Flexion Myelopathy
今野 慎
1
,
後藤 澄雄
1
,
村上 正純
1
,
大河 昭彦
1
,
加藤 大介
1
,
茂手木 博之
1
,
望月 真人
1
,
喜多 恒次
1
,
守屋 秀繁
1
Shin Konno
1
1千葉大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University
キーワード:
flexion myelopathy
,
フレクションミエロパチー
,
cervical spine
,
頚椎
,
dura plasty
,
硬膜形成術
Keyword:
flexion myelopathy
,
フレクションミエロパチー
,
cervical spine
,
頚椎
,
dura plasty
,
硬膜形成術
pp.423-430
発行日 1996年4月25日
Published Date 1996/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901878
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抄録:頚椎後方固定術に加え硬膜形成術を行った頚椎flexion myelopathy症例5症例のX線所見,手術所見,摘出硬膜病理所見から本症の病態の検討と術式の評価を行った.X線学的には頚椎前屈時の硬膜管,脊髄の陥凹だけでなく,中間位においても脊髄の可逆的な扁平化が認められたことから,前屈時の動的因子に対し静的因子の存在を提唱した.硬膜の手術所見での頭尾方向への強い緊張と,病理学上の弾性線維の減少および波型構造の消失から,これら両因子に硬膜が重要な役割を担っていると考えられた.また本症は椎孔横径や横突孔直径が大きいという椎体の形態異常が示され,硬膜の異常とあわせ全身的な要素の存在が疑われた.術後早期より何らかの手術効果が認められたことなどから,動的因子に対する固定術と静的因子に対する硬膜形成術を行う本法は頚椎flexion myelopathyの病態に合致した,今後試みられるべき新しい手術法であると思われる.
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