特集 整形外科の外傷治療-現状と課題-
Ⅳ. 手外傷,開放骨折,術後感染,偽関節治療における現状と課題
重症開放性骨折の現状と課題
前川 尚宜
1
1奈良県立医科大学救急医学講座
pp.109-117
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18885/JJS.0000000276
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重症開放骨折(Gustilo分類ⅢB,Ⅲc)の再建では,軟部組織や神経血管の再建が必要となる。これに対する治療ではmicrosurgeryの知識・技術に加えて高度な骨接合再建技術,外傷の治療戦略を熟知したorthoplastic trauma surgeon(OPTS)がシームレスな治療を行うことが理想といえる。OPTSのいない施設では,整形外科医・形成外科医・心臓血管外科医と治療に当たるのが現状であろうが,コラボレーションに中には大きな課題もあると思われる。骨接合を十分に熟知し,加えて形成外科的な知識・技術・経験が必要であり,さらに外傷特有の問題も熟知しておく必要があり,自立した術者になるには時間がかかる。症例を集約化したうえで適切な指導を受け症例を経験することが理想であるが,一般整形外科医でも最低限の知識は習得しておかなければならない。
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