特集 Physical Examinationを身につける
治す 心不全の治療方針をphysical examinationから考える
有田 武史
1
1九州大学病院 血液・腫瘍・心血管内科
キーワード:
頸静脈
,
左心室機能
,
静脈圧
,
心音
,
心臓弁膜症
,
心拍出量
,
心不全
,
内臓循環
,
理学的検査
,
左室肥大
,
心室圧
,
心房圧
,
病態生理
Keyword:
Cardiac Output
,
Heart Sounds
,
Jugular Veins
,
Heart Failure
,
Heart Valve Diseases
,
Physical Examination
,
Splanchnic Circulation
,
Venous Pressure
,
Ventricular Function, Left
,
Hypertrophy, Left Ventricular
,
Ventricular Pressure
,
Atrial Pressure
pp.249-255
発行日 2018年3月9日
Published Date 2018/3/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018126110
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心不全の病態評価のために心エコーや心臓MRIが日常臨床で日常的に行われるようになって久しい。こうなるとphysical examinationの役目はほとんど終わったように感じる向きもあるかもしれない。しかしながら胸郭という箱の中に閉じ込められた心臓をみるために、超音波や磁力や放射線がより効果的であるというだけで、胸郭の隙間-すなわち肋間から触れる心尖部や、胸骨の下にある右室や、導管として拍動を伝える頸静脈・頸動脈-から得られる情報も本質的には変わりない。よって、physical examinationをとりながら、心エコー所見・カテーテル所見を予測することでphysical examinationの精度はより高くなっていく。心不全、特に急性心不全の病態は分刻みで変化するため、繰り返し実施することが現実的に難しい諸画像検査よりも、洗練されたphysical examinationのほうが有用であることが少なくない。本セクションにおいて心不全治療方針を決定するにあたってphysical examinationをどのように活用するのかについて概説する。
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