特集 右心不全を考える
診る 心エコーによる右室機能評価法はどこまで進んでいるか
楠瀬 賢也
1
,
山田 博胤
1徳島大学病院 循環器内科・超音波センター
キーワード:
右心室機能
,
下大静脈
,
三尖弁閉鎖不全症
,
心エコー図
,
Doppler心エコー図
,
心筋収縮
,
肺移植
,
肺高血圧症
,
肺動脈圧
,
運動耐性
,
心房圧
,
圧負荷(心臓)
Keyword:
Echocardiography
,
Hypertension, Pulmonary
,
Myocardial Contraction
,
Vena Cava, Inferior
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Echocardiography, Doppler
,
Lung Transplantation
,
Ventricular Function, Right
,
Exercise Tolerance
,
Atrial Pressure
pp.10-17
発行日 2018年1月9日
Published Date 2018/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018088781
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心エコー図法はベッドサイドで利用できるツールであり、Bモード法により右心サイズ(心形態)、ドプラ法により推定収縮期肺動脈圧(圧負荷)、そして右室サイズの変化率を求めることにより右室収縮能(動き)について評価を行うことが可能である。右室形態は左室と比較して複雑な構造であるため、正確な心形態・動きの評価が困難であるだけでなく、壁厚が3~5mm程度と薄いことから右室機能は容量負荷や圧負荷に影響を受けやすい。このため右心機能を考える際には、この心形態・圧負荷・動きの3要素を総合的に判断する必要がある。また、肺高血圧症例において治療介入により肺動脈圧を下げることで、右室機能不全が改善することがある。このことから、肺高血圧時に右室そのものの機能不全が存在するかどうかの判断は難しいことが多い。しかし、リアルタイム性の高い心エコー図法を用い、治療介入後の経過を追うことで、このような病態の把握がより容易となる。本稿では心エコー図法により求められる右心機能指標について、心形態・圧負荷・動きの3要素に分けて概説し、新しい右心機能評価法であるストレインイメージング、介入後の右室機能変化をとらえることの重要性を提示する。
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