肺高血圧症-初期診断・治療・管理のすべて 診断の進め方と重症度評価
初期スクリーニング・病態評価における心エコー検査の意義・現時点での限界・将来性
更科 俊洋
1
,
赤木 達
,
麻植 浩樹
,
中村 一文
,
伊藤 浩
1岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学
キーワード:
右心室機能
,
病的拡張症
,
下大静脈
,
血管疾患
,
三尖弁閉鎖不全症
,
心エコー図
,
心房
,
心膜液貯留
,
臓器サイズ
,
肺高血圧症
,
肺動脈圧
,
右室肥大
,
心房圧
Keyword:
Echocardiography
,
Heart Atria
,
Dilatation, Pathologic
,
Hypertension, Pulmonary
,
Pericardial Effusion
,
Organ Size
,
Vascular Diseases
,
Vena Cava, Inferior
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Ventricular Function, Right
,
Hypertrophy, Right Ventricular
,
Atrial Pressure
pp.383-390
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016187512
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肺高血圧症(pulmonary hypertension:PH)は予後不良な疾患であるが,早期に診断し適切な治療介入を行うことで生命予後の改善が得られることがわかってきた.そのために重要なのは早期の診断である.心エコー検査はPHのスクリーニングにもっとも適した検査である.また,先天性心疾患や左心不全といったPHの原因となる病態の評価にも用いられる.さらに,心エコー検査はPHの予後予測因子にも有用な情報を提供する.右房・右室拡大や心嚢液貯留に加えて,心エコー検査による右室機能が重要視されてきている.治療効果の判定においても心エコー検査は有用である.本稿ではPHの病態評価に用いられる代表的な心エコー指標について,米国心エコー図学会ガイドラインに基づいて概説する.
©Nankodo Co., Ltd., 2016