特集 一人の診察であわてないために!病状と検査結果から導き出す確定診断のコツ
救急外来(急性心不全) rule-out 急性心不全の除外を適切に行うには?呼吸器疾患と混同しないために
神吉 秀明
1
1さいたま市立病院 循環器内科
キーワード:
気道疾患
,
病院救急医療サービス
,
鑑別診断
,
心不全
,
アルゴリズム
Keyword:
Algorithms
,
Diagnosis, Differential
,
Emergency Service, Hospital
,
Heart Failure
,
Respiratory Tract Diseases
pp.72-75
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018029942
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この時点での鑑別診断は多岐にわたるが,この状態が心不全なのか呼吸器疾患なのかでき る限り迅速に診断したい。クリニカルシナリオ1の急性心不全として血管拡張薬の投与を 始めてみても呼吸器疾患であればまったく無効であろう。胸部X線写真では重症肺炎や急 性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome;ARDS)と心原性肺水腫の 区別が困難なことも少なくない。炎症反応が高ければ肺炎と診断したくなるが,感染を契 機にした心不全増悪であれば炎症反応は高く出る。 残念ながら心不全を完全にrule-inあるいはrule-outできる万能な検査指標はなく,総合 的に判断するしかないが,病態を考えた適切な問診,適切な検査結果の解釈により,うま くrule-outできる場合もある。
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