特集 CCUの現状を識る:循環器医がするべきこと
診る 東京の心血管救急診療 全体と施設間の差
山本 剛
1
,
宮地 秀樹
1日本医科大学附属病院 心臓血管集中治療科
キーワード:
CCU
,
患者搬送
,
病院救急医療サービス
,
心筋梗塞
,
心臓血管外科
,
院内死亡率
,
地域社会ネットワーク
,
東京都
Keyword:
Coronary Care Units
,
Emergency Service, Hospital
,
Myocardial Infarction
,
Cardiovascular Surgical Procedures
,
Transportation of Patients
,
Tokyo
,
Hospital Mortality
,
Community Networks
pp.1010-1015
発行日 2017年10月9日
Published Date 2017/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017402194
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東京都では心血管救急疾患の発症から専門治療施設までの,迅速診療体制の充実をめざして,専門治療施設(東京都CCU連絡協議会)と,東京消防庁,東京都福祉保健局,東京都医師会の協力組織から構成されるCCUネットワークが運用されている。現在は総計74施設が参入し,東京全体に発生する急性心筋梗塞の約94%を包括する組織となっている。最近の救急搬送された急性心筋梗塞4,329例の集計結果では,92.2%が冠動脈造影を受け,83.5%に冠動脈インターベンションが行われており,効率よく機能したネットワークと考えられる。当初は急性心筋梗塞治療の地域全体の組織化が主眼であったが,その後は他の心血管救急疾患への迅速収容と診断治療にも目を向け,心不全,不整脈,急性大動脈疾患,肺塞栓症などの疾患にまで対象を拡げ,現在の東京都CCUネットワークは"cardiovascular care unit"ネットワークの概念の下に活動している。本稿では東京の心血管救急診療を担っているCCUネットワークの運用とその実績について,全体と施設間の差を含め概説する。
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