特集 CCUの現状を識る:循環器医がするべきこと
診る 地方都市のCCUの現況と問題点 中心施設から地域全体を診る
下田 祐大
1
,
伊藤 智範
1岩手医科大学 内科学講座循環器内科分野
キーワード:
CCU
,
医療過誤
,
血栓溶解療法
,
死亡率
,
心不全
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
Tissue Plasminogen Activator
,
地域病院
,
岩手県
,
急性冠動脈症候群
,
経皮的冠状動脈インターベンション
,
心筋梗塞-ST上昇型
,
ドクターヘリ
Keyword:
ST Elevation Myocardial Infarction
,
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Coronary Care Units
,
Hospitals, Community
,
Heart Failure
,
Malpractice
,
Mortality
,
Tissue Plasminogen Activator
,
Thrombolytic Therapy
,
Acute Coronary Syndrome
,
Percutaneous Coronary Intervention
pp.1016-1024
発行日 2017年10月9日
Published Date 2017/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017402195
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現在,国内のcardiac care unit(CCU)での治療対象となる当該疾患は,従来,coronary care unitと称され冠動脈疾患の治療が主体だった以前とは異なり,弁膜疾患や心筋症に起因する重症心不全,致死性不整脈疾患,大血管疾患,末梢動脈疾患,肺塞栓症など急性血管疾患の多岐にわたっている。また,心血管救急診療は高齢化や循環器疾患の罹患率の上昇を背景に患者数増加を認めている。とりわけ,大都市圏のCCUと比較し,地方都市でのCCUには,地域医療が抱える医療過疎などの問題から,地域特有の役割があると考えられる。しかしながら,一概に「地方」といっても,面積・人口数・人口構成・地域風土や生活環境による冠危険因子の罹患状況などは異なり,また医療状況においても,医療圏・医師数・病床数の状況は種々さまざまである。この観点をふまえ,本稿では地方都市岩手県盛岡市に所在する当CCUでの急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)や急性大動脈解離(acute aortic dissection;AAD)などの心血管救急診療の現状を報告するとともに,医療過疎地を抱える地方都市のCCUの問題点および今後の解決にむけて,その方策を考察する。
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