特集 CCUの現状を識る:循環器医がするべきこと
識る ICUにおける心血管集中治療はどうあるべきか
今村 浩
1
1信州大学 医学部救急集中治療医学
キーワード:
ICU
,
肺炎-レジオネラ
,
心筋梗塞
,
心不全
,
院内死亡率
,
クリティカルケア
,
心筋虚血
Keyword:
Critical Care
,
Heart Failure
,
Intensive Care Units
,
Myocardial Infarction
,
Hospital Mortality
,
Myocardial Ischemia
pp.1037-1045
発行日 2017年10月9日
Published Date 2017/10/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017402198
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心血管集中治療の主要なテーマである急性心筋梗塞の管理はprimary PCI(percutaneous coronary intervention)を初めとする初期治療の進歩により,以前に比べると格段に容易となり,それとともに濃厚な集中治療を要する症例は減少している。しかし,心原性ショックを初めとする重症例は一定頻度で存在し,その予後はいまだ不良である。また近年ICU,CCUでは急性大動脈症候群や院外心停止蘇生後,難治性心不全などが増加し,また人口の高齢化とともに他臓器合併症を有する症例も増加している。それとともに心血管集中治療にはより複雑な病態と多臓器の障害への包括的な対応が求められている。一方,近年の集中治療医学の進歩はめざましい。呼吸,循環,体液管理をはじめとする集中治療医学の分野においては大規模臨床試験に基づくエビデンスが次々と構築されている。このような集中治療管理技術の進歩は,心血管集中治療の対象となる疾病構成が変化しつつあるなかでどのように活用されており,また活用されるべきであろうか。本稿では,ICUやCCUにおいて心血管集中治療はどのようにあるべきか,すなわち,どのような患者が,誰によって,どのように管理されるのが適切であるのかを国内外の動向および自施設の取り組みを含めて概説する。
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