特集 DOACの常識・非常識-抗血栓療法新時代に向けて-
治す PE/DVT治療もDOAC選択の時代へ
中村 真潮
1
1三重大学 大学院医学系研究科循環器・腎臓内科学
キーワード:
抗凝固剤
,
肺塞栓症
,
臨床試験
,
静脈血栓症
,
静脈血栓塞栓症
,
Apixaban
,
Rivaroxaban
,
Edoxaban
Keyword:
Rivaroxaban
,
Anticoagulants
,
Clinical Trials as Topic
,
Pulmonary Embolism
,
Venous Thrombosis
,
Venous Thromboembolism
,
Apixaban
,
Edoxaban
pp.98-105
発行日 2017年1月9日
Published Date 2017/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2017113628
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肺塞栓症(p u l m o n a r y e m b o l i s m;P E)と深部静脈血栓症(d e e p v e i n thrombosis;DVT),すなわち静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism; VTE)の治療では,血栓塞栓の溶解を促進し,血栓の局所進展を抑制し,血栓の 塞栓化を予防するための措置が必要であり,抗凝固療法がその中心的役割を果た す1)。従来,わが国では未分画へパリンとワルファリンが使用されてきたが,こ れらはモニタリングによる用量調節が必要であるうえ,日本人での十分なエビデ ンスがなかった。このような背景から,より安全かつ簡便に使用できて,日本人 エビデンスをもつ抗凝固薬が求められてきた。近年,VTEの治療においても直接 作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant;DOAC)が使用できるように なり,治療の選択肢が広がった。日本ではエドキサバン,リバーロキサバン,ア ピキサバンの3つのXa阻害薬が使用可能である。一方,それぞれのDOACは初 期治療などでの使用法が大きく異なり,どのような症例にどのDOACを選択する べきか,臨床現場で判断に苦しむ場面が少なくない。 本稿ではVTE治療におけるDOACの使用法について解説するとともに,エビデ ンスや指針はないが,各薬剤間の使い分けに関して過去の研究を参考に私見を交 えて考察する。
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