症例と治験
仮性動脈瘤と鑑別を要した示指発生血管平滑筋腫の1例
大野 祐輔
1
,
新井 哲也
,
中島 浩敦
,
高津 哲郎
1岐阜県立多治見病院 整形外科
キーワード:
MRI
,
手指
,
鑑別診断
,
軟部組織腫瘍
,
血管筋腫
,
動脈瘤-偽性
,
CT血管造影
,
指動脈
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Diagnosis, Differential
,
Fingers
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Soft Tissue Neoplasms
,
Aneurysm, False
,
Angiomyoma
pp.992-995
発行日 2017年9月19日
Published Date 2017/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017374390
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症例は68歳男性で、15年ほど前に刃物で右示指掌側を切ったとの外傷歴があった。その後、同部に腫瘤が出現し、緩徐に増大したため、当科を初診した。MRIでは腫瘤は屈筋腱に接し、被膜様構造を認め、T1強調像で等信号、T2強調像で不均一に高信号で、腫瘍内に血管構造を示唆する線状の低信号な部分を認めた。矢状断では散在する点状の低信号域を認め、flow voidと思われた。臨床的には仮性動脈瘤、血管奇形、血管腫を考えて手術を行った。Zigzag切開で展開すると、腫瘍の表面には多数の静脈を認め、腫瘍に入る橈側の指動脈を認め、これを中枢側遠位側で切離して腫瘍を摘出した。腫瘍は白色充実性で、病理組織像は指動脈と思われる厚い血管壁と連続するように束状の平滑筋組織の増生と多数のスリット状の血管腔を認め、血管平滑筋腫の充実型と診断された。術後2年の時点で明らかな再発はない。
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