発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002030865
- 有料閲覧
- 文献概要
71歳女.7年ほど前から右手掌の疼痛と腫瘤を自覚していたが,腫瘤が徐々に増大し,強い圧痛と自発痛が出現した.初診時,右手掌母指球と第3・4中手骨骨頭間に,境界明瞭,弾性硬,可動性のある腫瘤を認めた.腫瘤は皮膚・基底との癒着は認めず,自発痛・圧痛は認めるが放散痛,知覚障害,運動障害はなかった.単純X線像では同部位に軟部腫瘍陰影を認め,超音波では腫瘍は境界明瞭,内部は充実性部分と嚢胞状部分が混在し被膜を有していた.MRIでは母指球部と第3・4中手骨骨頭間部の腫瘍は連続しており,周囲はT1・T2強調画像で高輝度を呈する被膜で包まれ,内部は不均一な輝度を示した.腫瘍は尺骨動脈と連続しており血管原性の腫瘍と診断した.手術では尺骨動脈を結紮して腫瘍を摘出し,摘出標本の病理組織学的所見から本症例は血管平滑筋腫と診断された
©Nankodo Co., Ltd., 2001