特集 変形性股関節症に対する関節温存手術の現状と将来展望
骨切り術の実際(概念・適応・成績) 関節温存手術の実際 大腿骨外反骨切り術
森谷 光俊
1
,
高平 尚伸
,
内山 勝文
,
福島 健介
,
山本 豪明
,
糸満 盛憲
,
高相 晶士
1北里大学 医学部整形外科学
キーワード:
X線診断
,
医学会
,
関節可動域
,
股関節脱臼
,
骨切り術
,
大腿骨
,
疼痛
,
日常生活活動
,
変形性股関節症
,
歩行
,
治療成績
,
股関節置換術
,
整形外科学
,
症状評価
,
関節亜脱臼
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Gait
,
Femur
,
Hip Dislocation
,
Orthopedics
,
Osteotomy
,
Pain
,
Radiography
,
Societies, Medical
,
Range of Motion, Articular
,
Osteoarthritis, Hip
,
Treatment Outcome
,
Arthroplasty, Replacement, Hip
,
Symptom Assessment
pp.951-957
発行日 2017年9月19日
Published Date 2017/9/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017374385
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はじめに
2016年5月に改訂された『変形性股関節症診療ガ イドライン』では,青・壮年期の進行期・末期変 形性股関節症(osteoarthritis of the hip;股OA)に 対する温存術は,症状緩和の効果があり,まず考 慮すべき手術療法であるが(Grade C),術後成績 は前・初期股OAと比べて劣り,10年を超えると 人工股関節全置換術(total hip arthroplasty; THA)への移行が増加すると記載されている1)。 われわれは1979年以降,THAの手術適応年齢 に達しない青・壮年期の股OA患者に対して大腿 骨外反骨切り術を行い,その治療成績を検証・報 告してきた2)〜9)。近年はTHAの治療成績が向上し, 当院でも大腿骨外反骨切り術の手術件数は2006年 をピークに減少している(図1)。しかし,大腿骨 外反骨切り術が必要な若年齢,あるいは関節温存 手術を強く希望する患者は存在しており,手術適 応をより慎重に厳選し,患者背景まで考慮した長 期的な治療計画を立てる必要がある。 本稿では,大腿骨外反骨切り術の手術適応と現 在の課題点について詳述する。
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