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不眠と腰痛の関連
-――東日本大震災被災地における3年の縦断研究
Association between sleep disturbance and low back pain:a 3-year longitudinal study after the Great East Japan Earthquake
矢部 裕
1
Y. Yabe
1
1東北大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Tohoku University School of Medicine, Sendai
キーワード:
low back pain
,
sleep disturbance
,
longitudinal study
Keyword:
low back pain
,
sleep disturbance
,
longitudinal study
pp.82-85
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei75_82
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【要 旨】
目 的:不眠と腰痛はいずれも一般によくみられる愁訴であり,相互に関連があるとされる.しかしながら縦断研究の報告は少なく,その詳細は不明である.本研究の目的は不眠と腰痛の関連を3年の縦断研究で明らかにすることである.
対象および方法:東日本大震災後4,5,6,7年に被災地で行われた健康調査回答者を対象とした(n=2,059).各調査時点での不眠を自記式アンケートで評価し,不眠の期間および頻度として分類した.不眠と腰痛および先行する不眠と新規の腰痛の関連を多重ロジスティック回帰分析を使用し解析した.
結 果:不眠は有意に腰痛に関与し,その関連は不眠の期間が長いほど,また頻度が高いほど強かった.さらに先行する不眠は腰痛の発生に関与し,その影響もまた不眠の期間が長いほど,また頻度が高いほど強かった.
結 論:不眠は腰痛に関与し,その関連は不眠の期間が長いほど,また頻度が高いほど強かった.腰痛の予防や治療のため,不眠に目を向けるべきである.
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